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どろどろの愛憎劇

45:名無しのオプ :2008/05/22(木) 12:57:55 ID:Z2MqNQTV

「おいお前何考えてんだ」
「なんでも良いじゃない。あなたには関係ないでしょ?」
「関係ないことあるか!黙って見てろっていうのかよ」

男は激昂していた。野次馬の視線が無遠慮に男女に向かう。

女は…中村亜希子はこの二週間を思い返す。
浅沼紀一。愛していた。結婚も考えていた。しかし彼は裏切った。
他の女と腕を組み歩いているところを、亜希子は見てしまったのだ。
それからは自棄だった。目には目を。
亜希子は美しかったし、男はいくらでも寄ってくる。
同じ様に浮気を見せ付ける。簡単な復讐だった。

亜希子はそのとき思わず吹き出していた。
紀一が怒鳴り、それから黙り、
やがて精気の抜けた顔でぼんやり亜希子と新たな男の後ろ姿を眺めていた。

満足できるはずだった。それだけで…。しかし振り返った亜希子の胸で
次第に膨らんでいくのはやりきれない思いと自責の念だった。

「戻ってこい!まだやり直せる!」
亜希子はその言葉に、過敏な反応を示した。睨み返す。
「やり直す?何を?あなたに何がわかるって言うのよ」
「まず話をするんだ!これで終わりなんて、酷い話だと思わないか?
これからどうすべきか、答えを見付けるんだ」
「ほっといてよ!ていうかあなた誰」

そこまで亜希子が言い掛けたとき、
男の視界の隅に急行電車が映り、次の瞬間には鈍い音、
同時に水風船が割れるような音がして、亜希子の身体は四散していた。

「線路上に死にたい女がいて、必死に説得を試みたが、間に合わなかった。
そういうことですね、佐藤さん」
「はい…今はただショックで…あの、痴情のもつれとか?」
「調べでは、中村亜希子さんはある男性とどろどろの愛憎劇を
繰り広げていたそうです。
今となっては彼女の身体もどろどろですがね、うぇへへへへ」
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