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暑い夏の昼下がり

54:名無しのオプ :2008/05/23(金) 06:56:24 ID:G8TDKCyH [sage]

暑い夏の昼下がり、久しぶりに幼馴染の家を訪ねる。
智仁は酒も飲めないお子様なので、代わりにラムネを持参した。
昔と変わらない庭を眺め、束の間の懐かしさに浸る。
確か中1の時、庭で智仁とタバコを吸って、おじさんに怒られたんだよな…
何となく胸元を探り、すでに最後の一本を吸ってしまった事に気づく。
私は二十歳にして、一日2箱は空けるヘビースモーカーになっていた。
近くに自販機があったな…そう考えていると、先客が玄関から出てきた。

私は軽く会釈を交わし、おばさんに断りを入れてから目的の場所へ向かう。
多少は躊躇いもしたが、結局は自分の習慣を優先してしまった。
…とりあえず一本だけ…そう思いながら金を取り出す。
ケースから一本取り出し、火をつけた所で智仁の姿が視界に入った。

智仁は昔と変わらない、悪ガキの様な顔で笑いかけていた。
「長い事来れなくてごめんな。…コレで許してくれ」
私は許しを請うているのか、拝んでいるのか、よく判らない動作をとる。
「よっちゃんじゃないか。久しぶりだなぁ」
「おっ、ラムネか?覚えててくれたんだ、好物だって」

それからは庭の見える客間に移り、
ラムネを飲みながら昔話に花を咲かせた。
「そういえばおじさん…もう亡くなって六年になるんだっけ…」
縁側から射し込む陽光が、隣の仏間にある遺影を照らしていた。
「ああ…ついこの間の事みたいだけどな……おっと、線香が消えてる」

隣で見ていると、線香を二つ折りにして火を灯し、寝かせて置いていた。
「(へえ、そういう上げ方するんだ)お盆だし、きっとその辺にいるんだろうね…」
二人して手を合わせながら、ここに居るかも知れない故人へ思いを馳せる。
仏壇に供えたラムネが妙に減っていた。…気が抜けただけだろうか?

「…ありがとう、よっちゃん。久しぶりに楽しかった」

そう言ったおじさんの顔は、ほんの一瞬…十四歳の幼馴染に見えた
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