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「コラッ!待ちなさい!」

491 名前:名無しのオプ[sage] 投稿日:2007/05/15(火) 19:29:45 ID:6GYfj8ip

「今日は見てるだけでいいよ。
どういう仕事の流れか掴んでくれればいいから」
「は、はい。分かりました」俺は先輩の後に従い廊下を進んだ。


「コラッ!待ちなさい!」
エレベータを降りた途端、いきなり声がしたので俺はギョッとした。
俺のことかと声のした方を見ると、
年輩の女性が独り壁に向かって叫んでいた。
女性は、今度は「うふふふ…」と笑いだした。
やはり壁に向かって…。
「あ、あの…この人って…」俺は先輩に話しかけたが、
「しっ、そっとしておけ。ほらここだ」と遮られた。
目の前にいかにも重そうな扉があった。
いよいよだ。俺は緊張した。

扉を開けると真ん中が仕切られた奥の部屋を
ガラス越しに見ることが出来た。
何人かの人がいたが、
いずれも20代の俺よりずっと年上の人たちばかりだった。
「ママー、ママー、どこですかー、えーん…」
60代くらいの女性が泣き声を上げた。
「はいはいママはすぐ帰って来るからね。
それまでお姉ちゃんが本を読んであげるから」
と40代と見られる女性がそれに応えていた。

えっ、どういうこと?!
俺からすればまるでおばあちゃんくらいの人じゃないか…。
それだけではなかった。
別の女性が「ばーぶー」と無邪気な声を発した時、
俺は真から驚いた。その女性もやはり60代後半だったからだ。



「おい、加藤さん呼んで来てくれ」
監督と打ち合わせをしていた先輩が振り向いた。
「えっ?加藤さん?…は、はいっ」
ああ、やっぱりさっきの人は加藤さんだったんだ…。
急いで扉を開け、廊下へ出た。
俺はまだ壁に向かっていた加藤さんに声を掛けた。
「あ、あのリハーサル…です。
カット12のサザエさんの台詞に変更があるそうです」
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