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ファミレスで私の隣のテーブルに、家族連れが座ったんです。


219 名前:名無し物書き@推敲中?[] 投稿日:2007/12/06(木) 14:28:53

隣のテーブルに、親子が座ったんです。
妙に若作りしてる茶髪のお母さんと、中学一年生ぐらいの兄、
そして小学校低学年ぐらいの妹です。

まあ、どこにでもいる家族連れだなあ
ぐらいにしか思ってなかったのですが……
驚きました。

母「ほら! 早く決めなさいッ! ったく、トロいんだから!」

お母さんが、デフォルトでキレてるんですよ。
子どもがなにをしても、怒鳴りつけるんです。

妹「それじゃ、わたしカレーにするー」
母「そ。わかった」
妹「わたし、カレー好きー」
母「うるさいな! そんなこと聞いてないでしょ?!」

カレー好きって言っただけじゃん!
なんで、怒鳴るんだよ?!ヽ( `Д´)ノ
お兄さんの方は、もうこのお母さんに呆れてるのか、

兄「…………」

無表情でそっぽ向いたまま、一言も喋ろうとしません。
注文を決める時もメニューを指さしただけ。
関わり合いになるのを、極力控えているみたいです。
料理が届いてからも、お母さんはキレっぱなし。

妹「いただきまーす」
母「黙って食べなさい」
妹「……ショボーン(´・ω・`)」
兄「…………」



220 名前:名無し物書き@推敲中?[] 投稿日:2007/12/06(木) 14:30:04

ただカチャカチャと鳴り響く、食事の音。
さっさと自分だけ平らげた母親は、
タバコ吸いながらケイタイをいじり始めました。
やるせねぇ('A`)

すると突然、妹が明るい顔をして口を開いたんです。
妹「あ、そだ、お母さん! 聞いて聞いてっ! あのね! えとね!
  今日、学校でね、とってもいいことが……」
母「うるさい! 食べてる時は騒がないの! 周りの人に迷惑でしょ!」

ちっとも迷惑じゃないよ! うるさいのは、アンタだよ!
むしろ、そのコの話、聞いてあげてよ!

怒鳴られてびっくりした妹が、
カレーをテーブルにほんのちょっと落としちゃったんですが…

母「あーもー! 汚いな! なんでちゃんと、食べられないの?!
  綺麗に食べなさい! 綺麗に! あーもームカツク!」

烈火のごとく、怒る母。
そんなに怒るほど、こぼしてないだろー?!ヽ( `Д´)ノ

妹「うう…ごめんなさい……」
ブツブツ文句いいながら、母親はケイタイをいじくっている。
妹は涙目。
兄は一言も喋らずに、黙々と食べています。
まるでお通夜みたいな雰囲気に包まれたテーブル。
こんな食事、楽しいはずがない。
すると。
母親のケイタイが鳴り始めました。



221 名前:名無し物書き@推敲中?[] 投稿日:2007/12/06(木) 14:30:45

母「ちょっと、お母さん、電話してくるから。サッサと食べちゃってね」
そう言い残して、ケイタイ片手に母は店から出ました。
電話するヒマがあったら、我が子としゃべれよ!
子育てを経験するどころか、
恋人もいない僕には言う資格がないかもしれませんが、
それでも言いたい。

もうちょっと、子どもとの接し方ってもんがあるだろ。
それじゃ、あまりにも可哀想だろ。
子どもがグレてからじゃ遅いんだぞ、ゴルァ( `Д´)

と、隣のテーブルで、私はキレまくっていたんですが……
妹のようすを見て、怒りも吹き飛びました。
そのコは、涙目のまま、一生懸命カレーを食べてたんです。

お母さんの言いつけを守りたいから、
ゆっくり食べていたら怒られてしまうから……
味わう余裕もないぐらい、急いで食べてたのです。

でも。
もともと、食べるのが遅い子なのでしょう。
焦っているからか、口の周りをべそべそに汚してしまっていて……
きっと、それをまた怒られてしまうのに、
それすらも気付かずに必死にカレーをかき込んでいたんです。
目にいっぱい涙を溜めて。一生懸命に。あぐあぐ。

そのコが健気で不憫で、しうは泣きそうになってしまいました。
もうね、この世には親子の情はないのかと、
寂しい気持ちになってしまいましたよ。
あんなお母さんはやめて、お兄さんチの子になれと、
そう言って抱きしめてあげたくなったほどです。



222 名前:名無し物書き@推敲中?[] 投稿日:2007/12/06(木) 14:31:54

そのとき。
一言も喋らなかった兄がボソッと言ったのです。

兄「……そんなに急がなくてもいいよ」
妹「え?」
兄「ゆっくり食べな」
妹「で、でも……お母さんが」
兄「いいから。好きなんだろ、それ」
妹「うんっ」

兄は、チラッと母親が出て行った出口の方を確認しつつ…

兄「で? なにがあったって?」
妹「???」
兄「学校でいいことあったんだろ」
妹「う…うんっ! あのね! えとね! 今日学校でね!」

妹は、楽しげにしゃべり始めました。
他愛もないことだったんですが、とっても嬉しそうに。
きっと、聞いてもらえるだけで嬉しいんでしょう。
さっきまで涙目だったのに満面の笑みを浮かべています。

兄は、にこりともせずに話を聞いてあげていたのですが、

兄「そっか。良かったな」
 と言って、妹のべそべそになった口元を拭いてあげたのでした。

FIN
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