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昔、俺がまだ神戸で雇われのバーテンダーだった頃の話。


529 :名無し職人:2006/05/04(木) 13:25:54
昔、俺がまだ神戸で雇われのバーテンダーだった頃の話。

その店は10階建てのビルの地下にあった。
で、地下にはうちの店しかないんだけど、
階段の途中にセンサーが付いてて
人が階段を通るとカウンターの中のフラッシュが光って
お客さんが来たのがわかる仕組みになっていた。

でもたまに、フラッシュが光っても誰も入ってこない、
外を見ても誰も居ないって事があって、
俺は寂しがりやの幽霊でも来たのかなって半分冗談みたいに
ウイスキーをワンショットカウンターの隅の席に置いて
「ごゆっくり どうぞ~」と言っていたんだ。

それからはそれがおまじないというか、げんかつぎみたいになって
そうゆうことがあると、いつもそれをしてた。
そのうちお客さんも「おっ今日も来てるねー」みたいな感じになって
(そうゆう日に限って店は凄く忙しくなった)
姿は見えないけど、その頃は店の常連さんみたいに思っていた。

ある冬の朝方、またフラッシュが光ったんで、
こんな遅くにお客さんかぁと思って外を見ても誰も居ない。
なんかそのまま朝の空気が心地よいので
階段の上まで昇って一服してたら、突然の大地震。
そう阪神大震災です。
うちのビルは地下と一階部分がぺっちゃんこ。
あのまま中に居たら確実に死んでました。

あとから考えるといつもただで飲ましてあげている、
あの見えない常連さんが助けてくれたのかなぁと思います。

今も違う場所で自分でお店をやってますが、
その店のスイングドアが風も無いのにギギィーって揺れたりすると、
今でもウイスキーをワンショットカウンターの隅に置いてます。

そして心の中で
「いらっしゃい。あの時はありがとうございました。」
と思うようにしています。

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コメント

良い話
初めて読んだ
すごく好きだ。いい話だな
素敵な話だな。
読み入てしまった。
阪神大震災絡みのオカルト話って多いよな。
こういう大きな天災時とかって、不思議な現象が起きやすいのかな。

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